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1.紙のパンフは、戦略を確定し、ノウハウを全社で共有させる。 【紙メリット(1/14)】

このブログシリーズでは、「紙のパンフレット」のメリットを紹介するのですが、その話をする前に、ホームページであれ、ネット上の冊子であれ、「お客さま向けのツールを制作すること」の大切さについて、少しお話をしておきたいと思います。
というのは、お客さまのご要望にあわせて、こまやかに営業活動をしている優秀な企業ほど、「お客さまのために、自社提供サービスの共通部分の情報を、整理しておく」ということが不得手ということがあるからです。
お客さまのご要望は、一社一社まったく異なっていて、それぞれに異なる対応をキチンととるほどに顧客満足度は高まります。なので、日々、お客さま個別対応に追われていくわけです。
しかし、そうすることによって、たとえば共通するサービスの「呼び名」がバラバラになっていたり、お客様ごとで対処法は異なっているけれども、原因は同じである「非効率な手順」などの「自分たちの問題」が認識できていなかったりします。
呼び名が確定していないサービス、あるいは共通化出来ていない製品・サービスの手順などは、意識していても、日常業務の中だけでは、共有化作業も行いにくいものです。
ましてや、共通化していないのですから、改善の手法も見つけにくく、つねに「お客さま個別対応の追われているだけ」となりがちです。
しかし、これらの製品・サービスの内容をパンフレットであれ、ホームページなどの情報であれ「お客様向け」としてまとめると、
●サービスの内容やメリットを伝達する「用語」が確定する
●どのお客さまにも共通するサービス内容の骨格を確定する
という事が必然的に固まるのです。つまり、業務の抽象化が行われる、という事なんですね。
お客さま向けの冊子・ホームページでは、詳細に入った情報よりも、全体的な概要をこそお伝えしなければなりません。
その「全体像」「共通項」を考えることが、そのまま営業行動の整理につながり、ツールを作ることで、それをお客さまと営業パーソン同士、全員が共有する「キーワード集」「手順書」を作り上げることにもつながるわけです。
営業パーソンの個人の力に頼った、お客さま別の、こまやかな対応をしている企業ほど、この「共通化」は苦手にしているものです。
なので、いったん、お客さまの立場になって、お客さま向けの説明書を作ってみる、という事が、製品販売の戦略を確定し、販売手法やノウハウをシステム化・共有化するためにはかなり効果的で有効なステップになるのです。
とくに印刷物はWEBとは異なり、一度印刷してしまうと刷り直しがむずかしいという特長があるので、実はこの「共通化」には、とても効果が高いのです。
共通化することは、とにかく社内で部門間での「共通認識」を作ることと同義なのですが、企業には、たとえば、
広報
総務
企画
営業
技術
開発
経理
資材
知財
法務
IR
財務
など多様な部署がありますから、同じテーマを表現するにしても、立場の違いから、表現に温度差が必ず出てくるのです。
「この商品は、●●の問題を完全解決するのです」
と営業の部署は言いたがりますが、法務や知財からは
「完全は言い過ぎだろう」
と必ず修正要望が入ります。
この部署間の垣根の問題は、根本的には解決しない問題なのですが、印刷物の制作にはシビアな締め切りがあり、なおかつ一度刷ったら簡単には刷り直しができませんから、「お客さまに表明して問題ない表現」の落としどころを制作過程で探らざるを得なくなるのです。
これは、実は、印刷物を作る時の本質的な特質なんですね。ここを弱点と考える人もいますが、「言葉の共有化」を大切に考えるライターの私としては、かなり大きな利点だろうと考えています。
というのは、印刷物を作ることで、社内で共通の用語や表現が「確定」するからです。「用語の確定」は、想定以上にコミュニケーションの効率を高めます。なので、これはかなり大きなメリットなのです。
ところが、この特性は、実はWEBにはほとんどありません。締め切りもなかなか確定しにくいですし、「刷り直しが効かない」というシビアさもないからです。
修正も簡単ですし、サーバーからファイルを消してしまえば、そんな情報があったことすら「なかったこと」にできます。
実は、WEBの本質は、「トライアンドエラーが気軽に行える」というところにあるので、印刷物を作る事とは対極の特性を持っているということが言えるのです。
WEBの強みは、なんと言っても「顧客(あるいは見込み客)の反応をリアルタイムに数値で取れる」という機能性です。
ですから、印刷物を制作して、社内で共通基盤の固まったサービスを広くアピールしたり、そのサービスがお客さまにどう受け止められているのか? などを知るためには最強のツールと言えるでしょう。
しかし、その「問いかけ」がしやすいWEBで、いったいどんな「問い」を発すれば良いのか? を考えるには、社内コンセンサスを作るのが得意な印刷物を制作することが、もっとも効率的なのです。
たとえば販売促進の「決まり文句」ひとつとっても、実は「自社サービスの範囲はここまでだから、ここまでは言っても良いが、それ以上は言っても責任が持てない」というような「サービス範囲」がキチンと含まれていることが多いわけです。
ここを明確にせずにWEBに情報を垂れ流しても、お客さまからクレームが発生した時にフォローのしようがなく、社内スタッフなどの「リソース」をムダ使いするだけに終わってしまいます。
これは実は、WEB上のスタートアップでも、本質は変わらないのですね。「いままでにないサービス」を社会に提供する時に、そのサービスの存在を知らない人に意見を聞いても旧来の発想の上での答えしか返ってこないからです。
WEBツールだけを使って印刷物のツールを使わないというのは、そういう問題を必然的に持ってしまいます。
これはまさに、世の中に馬車しかない時代に「自動車」を一般販売しはじめたヘンリーフォードが、
「もし顧客に、彼らの望むものを聞いていたら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えていただろう。」
と顧客にマーケティングリサーチする場合の問題点指摘をしていたのと、同じ話なのです。
どうせ顧客に質問をするなら、自動車に乗って感動している顧客に、
「馬車と比べて乗り心地はいかがですか?」というような質問を投げかけ、その答えを開発に盛り込んだり営業トークに利用したりすることが賢いWEB(顧客対話ツール)の使い方であって、自動車を売りこむためには、まず自動車のメリットを社内で「揉ん」で、パンフレットで見込み客に伝えた方が効率的なのです。
「馬のように疲れないので速いですよ」
「馬の餌は、乗らない日にも必要ですが、ガソリンは走った分購入するだけですよ。」
という殺し文句を固める、ということですね。
結局、「お客さまに保証できるセールストーク」を全社統一のセリフとして、印刷しておくことが一番効率的だ、ということは、少し考えれば、すぐにわかるはずです。
こんなことをお客さまに対話形式で聞いても答えとして得られるはずがないのですから。
紙のパンフレットの制作には、まず何より、こういう基本的なメリットを共通化する機能がある、ということをはっきりと認識していただきたいと思います。
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