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「WEBマーケティングは数字を見るのが最重要」と考えてるなら、それは明らかな間違い。

2012年 11月 08日
「WEBマーケティングは数字を見るのが最重要」と考えてるなら、それは明らかな間違い。_e0279055_14183639.jpg


■数字でわかるのはとても合理的。なの?
最近はWEBマーケティングが盛んになりましたから、広告のあらゆる側面が数値化されてきてまして、いろいろな「結果」が数字ではっきりとわかるようになってきています。

たとえば、バナー広告などは1クリックいくらで換算されますから「見た人の数だけ支払う合理的な仕組み」と言われています。

また、通販サイトなどでは、商品購入のボタンをクリックした時を「成果」として設定して、サイトにやってきた人がどのページから購入にいたったのかを検証したり、購入に至った率を「コンバージョン率」として数字で把握できるようになっています。

実際、文章表現にしてからが、Googleの検索1位になれば、より多くの人の目に触れるから、SEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)対策のために、様々な言い方を試みるのが当然になってます。順位で文章表現の良し悪しがわかる。

どれもこれも成果が数字でわかるので、実に合理的。
まさに確かな現実把握。

と、みなさん思うでしょ?
でも、これを「正しい」と思ってるのなら、たぶん、あなたはすでに大きな罠にはまりこんでしまってる可能性が高いのです。

というのは、



■車の運転にたとえてみれば、「あれ?」っと思う。

この「数値で見るのを最優先にする」という考え方を車の運転にたとえてみればすぐわかるのです。

●WEBマーケティングは数字を見ることが最重要である

を車に言い換えれば、

●車の運転にはスピードメーターを見ることが最重要である

になるわけです。これは明確な間違いですよね?

え? どこが間違いなのか、わからない?
あらー。じゃ、なおさら、あなたは危ない。車の運転はされない方がよろしい。(笑)

だって、車の運転ですよ? そこで一番大切なのは、

●道路状況をしっかり見て運転すること

に決まっているじゃないですか。
違います?
スピードメーターを最優先で見ていたら、それは脇見運転であって、事故っちゃいますよ。確実に。でしょ?

スピードメーターは、あくまで参考情報なんです。運転の本質ではない。

この「数字の本質は指標でしかない」ということが、どうにも置き去りにされている感じがして、近年のWEBマーケティングは、非常にあやういと僕は感じているわけです。

「スピードメーター」は参考情報でしかないのに、

●車の運転にはスピードメーターを見ることが最重要である

と考えたら、それはその瞬間に明らかな間違いなんですよね。
ですから、

●WEBマーケティングは数字を見ることが最重要である

というのは明らかな間違いである、と言うこともわかりますよね? 指標でしかないものを「最重要」に位置づけてしまって、それが本当に最重要であるのか? の「論理的検証」がされていないのです。

ところが、これが「明らかな間違いだ」ということが、実はWEBマーケティングの世界では、まだキチンと理解されていないように思います。なんと言っても歴史が浅いですから。「コンバージョン率こそ最重要」とか思ってる人がWEB業界にどれだけ多いか。そしてまた、そういう単純な言い方にコロリとだまされている人がどれだけ多いか。(「コンバージョン率こそ最重要」がいかに間違ってるかもいろいろ事例を出して説明できるのですが、長くなるので、またそのうち書きます。)

まだ、従来型のマスメディアや印刷物を扱っている人たちの方が、こういうWEBマーケティングの数字至上主義のあやうさに、なんとなく疑いの目を持っているだけマシかもしれません。

ただ、従来型メディアの人間は数字をバカにしてたりするから困るんですよね。平気で、

●車の運転にスピードメーターはいらんのや!

みたいな事を言ったりする。いやいや、いるやろ、それは。なかったら困るやろ。とは思うわけです。
どうしてこう、人間は極端から極端に走るのか? と思ってしまいますが。実際僕も、このブログや、自分のホームページのアクセス率などは、全部数字でしっかり見てますから。それはものすごく大事です。

ただ、大事ではあるんだけれど、「最重要」と思ったら、それは間違いなんだよ、ということですね。

正しくは、

●お客さまの喜びや満足度を把握することが最重要。

なんです。
そのために数値を使うわけです。
その目的に沿っている時は正しい数値の使い方なんですね。

だから、もうひとつ正しい言い方をするなら、


●数値は、お客さまの喜びや満足度を「探る」ための大切な指標となり得る。


という言い方になります。
これなら間違っていません。
事実に即しています。


■喜びや満足度は、数字でわからないからこそ確かめようとしてきたもの。

つまり、数字は指標として重要な存在ではあるけれど、最重要の判断基準は「喜び」や「満足度」であって、それは実は、

●数字では表せない

のです。

ここ、最重要ポイントなので、もう一度言いますけど、


●人の喜びや満足度は、数字では表せない


のです。
これを忘れたら、すべてが間違いになってしまうんですね。
ここが最重要のポイントなんです。
なぜ、これが最重要のポイントなのかというと、


●「喜びや満足度を数字で表すのはかなり困難だ」だと誰もが知っている。


からです。

山より大きな猪は出ない。という奴です。
みんな知ってるんですよ。「全部数字化する? それは無理!」って。
わかってるのに騙される。
困ったことなんですが、やっぱり騙されるんです。

実は、こういう「論理的整合性」を、キチンと考えながら文章を書いていくのが、コピーライター、とくにBtoB(Business to Business: 企業間取引)でのコピーライティングでの、もっとも重要なことだと僕は考えています。

一般消費者を対象にしているBtoCマーケティングでは、こういう「数字こそ最重要」というような正確ではない言い方も気分を高める方便として通用してしまう事がありますが、現実社会を支えている生産材やそれをチェックするための分析計、製品を作るための部品の取引などの現場では一切通用しないというのが現実です。

間違った言い方をすれば、その瞬間に「アウト!」です。

その時はついフラフラと「そうかな?」と思ってバナーをクリックもするでしょうし、人によっては何か商品やサービスを購入したりするかもしれません。
でも、後で必ず「騙された」と思ってしまう。
だって、

●「喜びや満足度を数字で表すのはかなり困難だ」だと誰もが知っている。

のですから。
いずれはどこかで必ず気付くんです。
3年後か、3ヶ月後か、3時間後かはわかりませんが。

このあたりは、僕がさまざまな機器類で、数字が大切にされる仕事をする機会が多いと言うこととも関係があるかも知れません。それこそナノレベルの精度が要求される分野では、「その数値がどこまで現実を反映しているのか?」に関してはとてもシビアですし、であるからこそ「数字が現実なのではない」と言うことも日常的感覚として常識になっているからです。

特にBtoB、ビジネス上のお付き合いでは、取引先との関係を長期継続的なものに育て上げる事が不可欠です。ですから、最初のアピール段階で、この手の「論理不整合」があること自体が、かなりのマイナスだと考えるべきです。

なので、


●数字よりも論理整合性の方が重要度は高い。


と、少なくともBtoBライティングでは、考えるべきだと僕は思っています。
ようは「ウソのない誠実なアピールをする」という事ですね。
あわてて「数字が最上!」と言ってしまわないように注意する気配りというか。
そこがポイントです。


[了]
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by kids1226 | 2012-11-08 09:34 | マーケティング | Comments(0)
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